特集 | 01 前田 陽一[編集者・文筆家]

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photo by 岡崎伸一

PROFILE
前田 陽一 Youichi Maeda
1956年 水戸市生まれ
    水戸市立城東小学校
    水戸市立第3中学校
    茨城県立緑岡高校
    日本大学藝術学部
    茨城新聞社を経て
2008年 株式会社Press Man設立

書くことがつなぐ過去と未来

 水戸市本町に事務所を構える株式会社プレスマン。編集を軸に、様々なクリエイティブなプロジェクトを推進しているプロダクションだ。最近では、ニュースサイト「水戸経済新聞」をオープンするなど、地元の情報を積極的に取材・配信している。これまでの活動・そしてこれからの展望について代表取締役社長の前田陽一さんにお話を伺った。
 「子どもの頃から文章に親しんでいたんですね。家族、特に祖父の影響は大きいと思います。」そう語る前田さんの祖父は、文筆家。何冊もの書籍を残している。その影響もあってか環境的に書く事へのハードルは低かった。その日の出来事を書き留め始めたのが小学生の頃。その日記は現在まで一日も欠かさず(!)続いているそうだ。日々の積み重ねが、現在の活動へと脈々とつながっている。
 日本大学藝術学部卒業後、茨城新聞社に入社。記者として編集の仕事にたずさわった。毎日、取材へ出かけ、情報を収集し、その日のうちに原稿にまとめるという忙しい日々を過ごす。
「毎日が締め切り。集中してスピーディに書きあげられるのはここでの経験があったから。」制限のある中で、大切なことをシンプルに紡ぎ出すスキルと集中力を現場で学んだ。取材の基本である情報を余すことなく引き出すヒアリング力もここで培ったと話す。
 その後、茨城新聞社東京支社次長を経て、都内で独立。フリーランスの編集者として様々な出版物の編集やウェブサイトのコンテンツ制作にたずさわった。故郷である茨城に再び戻ったのは2年前。筆力・伝力・地域力を掲げ、昨年「株式会社プレスマン」を立ち上げた。

「編集」で切り開く新しい茨城の姿

 編集業というと紙媒体のイメージが強いが、インターネットや映像といった分野にも編集者が関わっていることが多い。前田さんの仕事も紙媒体だけでなく多岐に渡る。ウェブサイト内のコンテンツはもちろんのこと、SPツールを含めた総合的な広報マネジメントやイベントのプロデュースまで、目的に合せて様々な手段を「編集」するスタイルをとっている。
 「文章を書く時は、様々な言葉や文字を集めて一つの文章にするでしょ。どんな仕事でも同じで、情報を組み合わせて企画を提案したり、個々のクリエーターの才能を集めてひとつのプロジェクトを成功させたり。これが編集の基なんです。」
もちろん各分野におけるスキルは全く異なるが、目標に向って様々な要素をうまく組み合わせ、ひとつの“作品”を生み出すことは共通している。このことこそ編集の本質なのかもしれない。
 話の途中、革ケースに入れられた小さ目のメモ帳を見せていただいた。これを肌身離さず持ち歩いているそうだ。備忘録としての側面もあるが、いつでも情報を書き留められるようにとの配慮。ちょっとしたプロフェッショナルな一面に感服する。
 「編集の仕事は、あくまで人と人との橋渡し。取材先の情報を、読み手にいかにわかりやすく、楽しく伝えるか。ここにつきますね。ネット上にもたくさんの情報が溢れていますが、できる限り現地に取材に赴き、直接話を聞く様にしています。すべては地元の読者のため。好きでなければできない仕事ですよ。」そう語る前田さんからは、好きな中にも、強い信念と地元への熱い想いが感じられた。
 「点として存在する情報や人を線でつなぎ、面へ、さらに立体へとしていけたら。茨城をもっと元気にしたいですね。」最近では、キャスティング事業を立ち上げた。人と人のマッチングを最適化し、魅力的な場を作る。正に「編集」を基本としたプレスマンならではの発想ではないだろうか。編集によって茨城がよりアクティブに変化していく、そんな明るい未来が見えた取材となった。

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1.前田さんが手掛けた書籍と祖父の手掛けた書籍。世代を越えて言葉がつなげる不思議な縁だ。
2.茨城の歴史にも造詣が深い。事務所周辺の古地図をみながら。
3.愛用のMacBookAir。
4.肌身離さず持ち歩いている愛用のメモ帳。かなりの消費率だそう。この他に日記をつけるなど、書くことが日常になっている。

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1.「現代俳句歳時記」角川春樹編 ハルキ文庫
春、夏、秋、冬、新年の5册からなる文庫本。俳句実作者のみならずコピーライターには重宝すること請け合い。
2.「オロロ畑でつかまえて」荻原浩著 集英社文庫
私の一番好きな作家の1册。広告代理店を舞台にした「これってありかよ!」と突っ込みたくなる作品です。
3.「徳川實紀」
江戸時代の歴史書。将軍家の出来事はもとより、天変地異が事細かに記載されている。公文書としては思えないサブカル要素満載の1册だ。

株式会社PressMan
〒310-0815
茨城県水戸市本町2-2-1-22クレセール本町406(現在は移転)
Tel.029-212-7984
http://pressman.asia
posted by マピナビ記事 | マピナビ水戸18号記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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